
フローリングの色は、室内の雰囲気や印象を大きく左右します。
適切な色選びは、空間の広がりや明るさ、さらには居心地の良さにも影響を与えます。
今回は、フローリングの色がもたらす効果と選び方のポイントについてご紹介します。
目次
■フローリングの種類
■フローリングの色が与える印象
■実例で紹介
■その他の床材
■まとめ
■フローリングの種類

フローリングには大きく分類し2種類、複合フローリングと無垢(単層)フローリングがあります。
さらに複合フローリングを2種類に分けて合計3種類を紹介します。
・化粧シートの複合フローリング
木目が印刷された塩化ビニルシートを合板に貼り合わせた床材です。
価格帯は低グレードで、さまざまな色やデザインから選べます。
伸縮が少なく反りなどの変形が起きにくいのが特徴です。
ペット用や遮音性能があるものなど種類が豊富にあります。
デメリットは本物の木を使用していないため見た目がチープに感じられることがあり足触りに温かみがありません。
合板部分まで傷ついた場合、傷が目立ちやすく修復が難しいのも難点です。
・突き板/挽板複合フローリング
1ミリ~4ミリのスライスされた木材を合板に貼り合わせた床材です。
スライスされた木材の厚みによっては挽板複合フローリングとも呼ばれます。
価格帯は幅広く、床材としてのグレードは中〜高グレードです。
伸縮が少なく反りなどの変形が起きにくいのが特徴です。
スライスされた無垢材を使用しているため見た目に高級感があり足触りに温かみも感じます。
デメリットは化粧シートの複合フローリングと同様、合板部分まで傷ついた場合に傷が目立ちやすく修復が難しい点です。
・無垢(単層)フローリング
無垢材を使用したフローリングで一枚の木材から作られています。
価格帯は高グレード、自然素材ならではの風合いや木目が美しく高級感があり調湿機能によって室内の湿度を調整してくれます。
長年使うことで味わいが増し経年変化を楽しめるのも特徴です。
もし傷が入ってもヤスリなどで削って修復することができます。
デメリットとしては伸縮しやすく湿気や乾燥によって反りやひび割れが発生することがあります。
床暖房を採用する場合は注意が必要です。
■フローリングの色が与える印象

・白色のフローリング
清潔感があり空間を広く見せる効果があります。
しかし実際の生活では、ほこりや汚れが目立ちやすいというデメリットがあります。
選び方を誤ると室内がチープに見えてしまうこともあるため慎重に検討することが大切です。
私はあまりおすすめしません。
・ナチュラル木色のフローリング
ベージュ系のナラ材やパイン材、タモ材など、さまざまな種類があります。
温かみと落ち着きをもたらし壁や天井、建具、家具などと合わせやすく、どの素材とも相性が良いのが特徴です。
私の経験上、約8割の人がこの色を選んでいます。
・こげ茶色のフローリング
ウォールナット材が有名ですがナチュラルな色の木材を着色し、こげ茶に着色もできます。
高級感や重厚感を演出し引き締まった印象になります。
壁や天井、建具、家具などの相性には注意が必要です。
例えば白系のビニルクロスを選ぶ場合は白ではなく「ベージュ寄りの白」や「グレー寄りの白」とし建具や家具も色選びには注意が必要です。
ビンテージ品や古道具などと相性が良く個性的な空間を演出します。
■実例で紹介


この写真の床材はナチュラル木色のナラ無垢材を使用しています。
壁、天井のビニルクロスは白を選択し、窓枠や建具はシナ材、階段板はタモ材です。
それぞれ木材の品種は違いますがナチュラル木色で統一しているため違和感はありません。
土間のモルタルとの相性も良く全体が明るい色で吹き抜けの解放感がより際立ちます。


この写真の床材はフローリングではありませんが、「こげ茶に塗装したラワン材」を使用しています。
壁、天井のビニルクロスは「ベージュ寄りの白」を選択しています。一部の壁、天井、建具、窓台、造作家具の素材を「こげ茶に塗装したラワン材」に統一しています。
築36年の古材を生かしたリノベーション住宅のため、こげ茶に塗装した木材と既存の古材の相性が良く、重厚感のある雰囲気を演出しています。
■その他の床材

フローリングとは別の床材としては・・・
・クッションフロア
5ミリから10ミリ厚程度のビニルの柔らかい床材です。
見た目がチープに感じられることがあるため注意が必要です。
価格は化粧シートの複合フローリングよりも安いです。
・ラワンべニア
本物の木材のため木目が美しく温かみもあります。
床材ではない為、床用塗装が必要になります。
床用塗装をしても水には弱いため水回りには使用できません。
価格は化粧シートの複合フローリングと同程度です。
・塩ビ系
3ミリ程度の固い床材で、ビニル床シートやPタイルなどと呼ばれています。
住宅では水回りで使われることが多い床材です。
・タイル系
玄関で使用することが多い床材です。
真っ白な大理石や黒の御影石などのタイルは、リビングの高級感や重厚感の演出に使わられる床材です。
価格帯は高グレードです。
・カーペット
リビングや寝室などで使われます。
種類が豊富でフローリングとの相性も良いのが特徴です。
価格帯は幅広く、グレードは中〜高グレードです。
・畳
和室は勿論のこと、小上がりなどでも使用します。
■まとめ
フローリングの色選びは、部屋の印象を大きく左右する重要なポイントです。
自分の理想とするインテリアやライフスタイルに合った色を選ぶことで快適で居心地の良い空間を作ることができます。
部屋の広さや家具とのバランス、掃除のしやすさなどを考慮しながら、最適なフローリングカラーを選びましょう!
笠井啓介
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