すでに住宅を建てた方は読まないでください!!!
※ダサいと書かれているかもしれません。
※読んでも良いことはないと思います。
僕がいくら「考え方や感性の合う設計事務所を探し、建築士と素敵な住宅を建てましょう!」と言っても、
ほとんどの人がハウスメーカーや工務店を選んでいるのが現実です。
この記事を読んでいるあなたは、ダサい家には住みたくないですよね?
ダサい家を見て「こんなことにも気が利かない設計士がいるなんて…」と良く思います。
最低限これくらいは気を使ってほしいポイントを3つまとめました。
この記事を読んで、ダサい家を回避しましょう。
オープンハウスなどに行ったときに後述のポイントを抑えてチェックしてください。
住宅展示場もありますが、住宅の品質がよりリアルに分かるオープンハウスの方がおすすめです。
モデルを見せる展示場とは違い、実際に売却または引渡し予定の住宅を見ることができるので、自身の予算やイメージと比較検討し易いと思います。
目次
■中心がずれている。高さ設定がバラバラ。
■〇〇っぽい▢▢の多用
■唐突な天井高さの切り替わり。
■中心がずれている。高さ設定がバラバラ。
図にあるように壁に付けるエアコンや吸排気口の位置、
天井に付ける報知器の位置などが中心からずれていることが多くあります。
あまり気にしないのかも知れませんが、中心のズレが空間をダサくします。
照明は中心に配置しても設備関係は現場の人に丸投げなのでしょう。
ちょっと移動すれば中心になるのに…と良く思います。
図にあるように「ドア建具、窓サッシ、収納扉」の取り付け高さがバラバラになっていることが多くあります。
何も考えずに選んだ既製品を何も考えずに付けたからでしょう。
「ドア建具、窓サッシ、収納扉」の取り付け高さは同じ高さにするのが設計のセオリーです。
もちろん検討した上で敢えてずらすことはありますが、検討したズレと適当なズレは一目瞭然です。
こんな単純なことも気が利かない設計士は、他の部分でも気が利かない設計士です。
取り付け高さがバラバラだと空間のバランスが崩れ、目線が散り余計なストレスになります。
この写真は僕が設計した住宅です。
天井高さに合わせてドア建具、窓サッシの取り付け高さを天井までに統一しています。
(無垢フローリング使用)
照明はもちろん吸排気口の位置もしっかり考えて付けています。
余計な線が少ないのでスッキリ見えると思います。
実はドア建具の枠を天井に埋込んだり、窓サッシは天井より上に取り付け窓枠を隠すなどの細かいテクニックは使っていますが、
ここまでしなくても単純に同じ高さ設定にするだけでスッキリした印象になります。
この写真は、敢えて小窓の取り付け高さをずらした例です。
(上面1~2mmだけ無垢材の複合フローリング使用)
何回も繰り返し検討したズレなので違和感はないと思います。
■〇〇っぽい▢▢の多用
外壁や壁紙などの「〇〇っぽい▢▢」の多用。本当に多いです。なぜ使うのか理解できません。
「木っぽいビニール」の壁紙、「タイルっぽいビニール」の壁紙、
「木っぽいサイディング」の外壁材などなど挙げればキリがないほど出てきます。
本当にダサいです。木なら木をタイルならタイルを使ってください。
施工前にサンプル材で確認してOKしても、実際の仕上がりと面の大きさが全く違うので、イメージとのギャップが生じます。
目地やコーキングの線が出てくるので、それも含めた検討が必要です。
サンプル材と併せて3Dパースを使って検討したり、現場に2,3枚のサンプル材を持って行き、貼り合わせて確認したりすることが必要です。
例えばアクセントとして壁紙の一部を変えたいなら「木っぽいとかタイルっぽい」ではなく「2000番の布クロス」の中から選ぶのがおすすめです。
アクセントに一部の壁紙を500番や1000番の壁紙から2000番に変更しても、たいした価格アップにはなりません。
(500番1000番2000番は壁紙のグレードです。数字が大きいほどグレードが高くなります。)
木っぽい質感が好きなら「羽目板張り」が良いのですが、価格は高いです。
なので「シナべニア板貼り塗装仕上げ」がおすすめです。(価格は大体2000番の壁紙と同じくらいです。)
外壁材も「ガルバリウム鋼板」や「板貼り」「ジョリパッド」など選択肢はたくさんあります。
わざわざダサい材料を選ばないようにしましょう。
この写真は、キッチンカウンターのみ「シナべニア板貼り塗装仕上げ」です。
塗装の色も好みに応じて選べるのでおすすめです。
(無垢フローリング使用)
ドア建具とフローリングは新築住宅の9割以上が残念ながら「木っぽいビニール」が使われています。
これは流通量を考えて仕方がないのかなとも思いますが…僕は絶対に使いません。
フローリングは住宅の中で一番人が接している材料です。
一番こだわりたい部分です。
僕が設計した住宅の写真に、どのフローリングを使用しているのか書いていますので参考にしてください。
一番のおすすめは一枚の木材から作られている「無垢フローリング」です。
価格が高いので選べない場合は→
「上面1~2mmだけ無垢材の複合フローリング」があります。
突き板フローリングや挽き板フローリングと呼ばれます。
それでも高くて選べない場合は→
「べニア板貼り塗装仕上げ」の選択肢もあります。
どんなに安いフローリングを選ぼうが「べニア板貼り塗装仕上げ」の方が圧倒的に安くなります。
この写真はお世話になっている「白田設計事務所さん」(←リンクになっています。)
にお借りした床が「べニア板貼り塗装仕上げ」の写真です。
木の温もりが感じられて、とても素敵な空間です。
木っぽいビニールの床より断然こっちのほうが僕は好きです。
白田設計事務所さんは僕が困ったときに何でも相談に乗ってくれる先輩設計事務所さんです。
是非リンクから覗いてみて下さい。
1階を「無垢フローリング」にし2階を「べニア板貼り塗装仕上げ」にし価格の調整することもおすすめです。
2枚のドア建具の写真を見比べてください。
写真だと伝わりづらいかもしれませんが、
1枚目が既製品の木っぽいビニールのドア建具です。
安っぽいです。全く温もりを感じない質感です。
2枚目は僕がオリジナルでデザインしたシナベニアとタモ材を使ったドア建具です。
本物の木なので、もちろん温もりがある質感です。
先述しましたが枠を見せない納まりがこだわりです。
ドア建具は安くなるようにデザインしても安い既製品のドア建具の倍くらいの価格になります。
1枚4万円アップくらいです。
断熱と換気をしっかりと計画すれば、ドア建具の設置枚数を減らすことができます。
プライベートを確保したい部屋以外のドア建具を減らすことも価格を下げる選択肢です。
■唐突な天井高さの切り替わり。
この写真は僕の住んでいる賃貸の木造集合住宅の写真です。
リビングだけ天井高さを上げたりしますが、
この不自然感で唐突に天井高さが切り替わっているのがわかるでしょうか?
ハウスメーカーや工務店の家でもごくまれに見かけます。
これは最悪です。
1階天井と2階床の間には排水の管や排気の管など色々納まっています。
この管などが納まらないことに現場で気づき急遽天井の高さを変更したのでしょう。
全く知識がない人が何となく設計したのがわかります。
こんなこともわからない設計士であれば他の部分も酷いことになっています。
絶対に契約しない方が良いでしょう。。
今回挙げたのはあくまでも最低限なポイントです。
カッコ良い・カッコ悪い以前にしっかり考えられているか、丁寧に作られているかが大切です。
丁寧でしっかり考えてくれる設計士なら住む人の生活を読み取ったプランニングをしてくれるので、住みやすい住宅になります。
是非ともダサい家は回避しましょう。
もう少しデザインに焦点を当てた「上品な家、下品な家」という記事も併せて見て下さい。
笠井啓介
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