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不思議な植物ビカクシダの魅力※随時更新

※新しい品種を買ったときや最新情報など随時更新しています。

 

あなたの家に観葉植物はありますか?

観葉植物はインテリアとしてもオシャレだし、部屋の空気を浄化する作用もあります。

室内に観葉植物をひとつ置くだけで、部屋の印象が随分変わります。

真冬でも家の中に居ながら自然な緑を感じることができます。

特に僕が住んでいる北海道札幌市のような寒冷地で暮らしている人に観葉植物を置くことを強くおすすめします。

 

「パキラ」「ゴムの木」「フィカス」などホームセンターで良く見る観葉植物を置いている人が多いですが、ちょっと変わった植物「ビカクシダ(コウモリラン)」は知っていますか??

アート作品のオブジェの様な、すごくカッコ良い植物です。

品種がとても多く、安いものから高いものまで様々です。

最近は安価で育てやすいものが、北海道札幌市のホームセンターや花屋でも比較的簡単に入手できるようになりました。

 

今回は不思議な植物ビカクシダの魅力を紹介します。


目次

 

■ビカクシダとは。

 

■僕が見てきた品種の紹介。

 

■株の種類。

 

■板付してみよう。

 


■ビカクシダとは。

 

何故かコウモリランという名前で売られていますが、シダの仲間の植物です。

蘭ではないので花は咲きません。

学名はプラティケリウム(Platycerium)。

 

原種は18種類あり熱帯地方で樹木に着生しています。

交配種や不明種が多いため現在何種類あるかは不明です。

2種類の葉があるのが特徴で、株元に張り付いている「貯水葉」と前方に飛び出した「胞子葉」で構成されています。

品種にもよりますが、最低温度は5度~10度以上なので北海道札幌市の室内であれば十分越冬可能です。

風通しのいい場所で管理し、水やりは乾燥したらたっぷりとあげます。

僕は週1回バケツに水を貯め10分くらい沈めて、それ以外は乾燥していたら霧吹きで水を与えています。

 

 

■僕が見てきた品種の紹介。

 

・ビフルカツム bifurcatum(所持)

原産 :オーストラリア東海岸

難易度:簡単

ホームセンターで「コウモリラン」として売っていて、品種が書いてなけれはビフルカツムかネザーランドのどちらかです。

この2つは似ているため見分けるのは難しいです。

原種がビフルカツムで交配種がネザーランドなのでネザーランドの方が強いと言われています。

マニアックな植物を購入しにくい北海道札幌市でも簡単に安価で購入できます。

⇩一年後

 

 

 

・ビーチー veitchii(所持)

原産 :オーストラリア東部

難易度:簡単

現地では水辺の岩に自生しています。

ビフルカツムより胞子葉が白く細いのが特徴です。

北海道札幌市でも、たまに売っています。

札幌市で買おうと思うと高いですが、インターネットで検索すると価格が下がってきている気がします。

⇩一年後

 

 

 

・グランデ grande(所持)

原産 :東南アジア

難易度:中

「森の王冠」と呼ばれる、貯水葉が巨大で最大1.5mになる大型品種です。

グランデとして買っていますが見分けが難しいためグランデなのかスパーバムなのかは不明です。

⇩一年後

 

 

 

・リドレイ ridleyi(所持)

原産 :ボルネオ,スマトラ,マレー半島

難易度:高

貯水葉は葉脈が浮き上がり、胞子葉は鹿の角のような形が特徴で、とても人気の品種です。

ビカクシダの森さんから購入しました。

⇩一年後

 

 

 

・コロナリウム coronarium

原産 :東南アジアに広く分布

難易度:高

貯水葉が巨大で最大2.0mになる大型品種です。

胞子葉は細く切れ込みが入り下に垂れ下がります。

ビカクシダの森さんから購入しました。

⇩一年後

 

 

 

・ウィリンキー willinckii

原産 :ジャワ島

難易度:簡単

白っぽい胞子葉が長く伸び下に垂れ下がります。

ビフルカツムを縦長にしたような形が特徴です。

グランデほどではないですが大型になる品種です。

 

 

 

・アルシコルネ alcicorne

原産 :マダガスカル、アフリカ東部

難易度:簡単

ビフルカツムと似ていますが貯水葉に切れ込みがなく丸い形が特徴です。

 

 

 

・ワンダエ wandae

原産 :ニューギニア

難易度:高

「ビカクシダの女王」と呼ばれる大型の品種です。

大型ビカクシダは胞子葉で見分けると言いますが。

正直、僕にはグランデ、スパーバムとの見分けがつきません。

 

 

 

・ワリチー willinckii

原産 :東南アジア

難易度:高

貯水葉は上に向かって伸び、胞子葉は左右に分かれて垂れ下がります。

グランデなどの大型品種を小さくしたような形が特徴です。

 

 

 

・ホルタミー holttumii

原産 :カンボジア、ラオス、タイ、マレー半島

難易度:中

大型品種です。

貯水葉は上に向かって伸びグランデより胞子葉の切れ込みが多く深い形が特徴です。

 

 

 

・フーンシキ Foongsiqi(所持)

交配種?不明種?

難易度:簡単

ワリチー×ビーチーの交配種との情報もありますが詳細は不明です。

胞子葉がカールするとても変わった品種です。

ビカクシダの森さんから購入しました。

⇩一年後

 

 

 

・ムース Moose(所持)

交配種

難易度:簡単

ヒリー×アルシコルネの交配種。

アルシコルネに似た貯水葉に名前の通りヘラジカの角のような胞子葉が特徴です。

ビカクシダの森さんから購入しました。

⇩一年後

 

 

 

・キッチャクード mt.kitshakood

交配種

難易度:中

リドレイ×コロナリウムの交配種。

交配種の中では一番人気の品種です。

リドレイのような貯水葉にコロナリウムのような胞子葉が特徴です。

 

 

 

今回紹介した品種以外の原種だけでも

東南アジア系:スペルブム(スパーバム)superbum

オセアニア系:ヒリー hillii

南米系:アンディナム andinum

アフリカ、マダガスカル系:エレファントティス elephantotis、エリシー ellisii、ステマリア stemaria、

マダガスカリエンセ madagascariense、クアドリディコトマム quadridichotomum

交配種や原種登録されていない原種、不明種もあり、キリがないほどあります。

ヤフオクなどでしか購入できない10万円超えた品種もたくさんあります。

ハマりすぎ注意です。

 

 

■株の種類。

 

ビカクシダにハマっていくと、どこから、どのような経路で販売されている株なのか知りたくなります。

 

・ワイルド株

現地で自生している株です。

現地の人や植物ハンターが採取し販売されます。

一番高価です。

ビカクシダだけではなく全ての植物に言えますが、

植物ブームで自生している植物が乱獲され現地の数が減っているという悲しい話も聞きます。

 

・胞子培養株

ナーセリーと呼ばれる生産農家が胞子から培養している株です。

同じ親株でも個体差が出ます。

ビカクシダはタイを中心に東南アジアに多くのナーセリーがあります。

日本にもビカクシダの胞子培養しているナーセリーはあります。

現在、一番出回っている株です。

 

・メリクロン苗

茎頂培養されたクローン苗です。

一番安価です。

現在は数は少ないですが、今後、主流になると思います。

胞子培養と違い親株と全く同じ形に育ちます。

そのせいで今まで貴重だった植物が大量に出回り価値が下がる事もあります。

 

・子株

ヤフオクやメルカリを検索していて目にするのが子株販売。

ビカクシダは胞子とは別に貯水葉の端から子株が出てきます。

子株販売と書いていても親株がどの株なのかによって価値や価格が変わります。

 

 

 

■板付してみよう。

ホームセンター等で買った場合、上記の写真のように鉢に入っています。

もちろん、そのままでも良いのですが板付けにするとカッコ良さが増します。

 

用意するもの。

 

板:高級・ビカクシダ専用板

     ↑・ヘゴ板 

       ・バージンコルク

       ・炭化コルクボード

       ・通風パネル

     ↓・100均の板

       安価・ホームセンターで廃材を貰ってくる。

 

専用板5.500円から廃材0円まで予算に合った板を用意しましょう。

高級な製品ほどカビにくく長持ちします。

僕が使っているのは炭化コルクボード(700円/1枚くらい)です。

炭化コルクボードはカビにくく安いので使っていますがデメリットとしては柔らかいのでボロボロとゴミが出る事です。

 

水苔:水苔にはグレードがあることを知っていますか?

高級水苔と書いてあっても全然高級ではないです。

グレードがAAからA5くらいまであり、グレードが高いほど水苔が長くゴミが少ないので仕立てやすいです。

僕はAAA以上のものを使っています。

必ずグレードを確認して予算に合わせて選んでください。

安くするなら100均でも売っています。

 

ベラボン:水苔の中にベラボンを入れます。

アク抜き済みのものがホームセンターで手に入ります。

通気性が上がり根腐れ防止になるので是非入れてください。

 

巻きつける材料:人によって違います。テグスを使ったり麻ひもを使ったり、ビニル紐を使ったり、ストッキングを使ったり…

色々試しましたが僕は麻ひもでぐるぐる巻きにして活着したら外すのが一番簡単な気がしています。

 

ベラボンと水苔はあらかじめ水に浸して吸水させたものを使います。

板の中心にベラボンを置き、その上にビカクシダを載せます。

この時、「成長点」という貯水葉の中心にある芽のようなものが必ず上を向くように配置します。

成長点の向きが正しいか否かで、後の成長や姿に大きく影響します。

正しい向きで仕立てられた株は上向きに、きれいな形の新葉を展開することができるのですが、間違って逆向きに固定してしまうと葉が捻れたりして本来の綺麗な姿になりません。

 

位置や向きが決まったら、周りを水苔で埋めていきます。

この時は見た目を気にしてテグスを使っていますが、

すぐ活着するので現在は麻ひもをメインで使っています。

株を痛めないように、かつ納得できる形になるようにバランスを見て仕上げましょう。

 

完成!

 

 

不思議な植物ビカクシダの魅力が伝わりましたか?

普通に売られている観葉植物の鉢植えに比べて、ビカクシダは見た目や成長の仕方が面白く、育てるのも楽しいのでおすすめですよ。

壁や天井に吊るすことができるので、意外と場所を取らないことも魅力の一つです。

気になったら是非ビカクシダに挑戦してください。

僕のように簡単な品種から挑戦して、コレクションが増えすぎないようにご注意ください。

 

笠井啓介

 


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