「せっかくブログやっているのに、なんで自分の設計事務所を宣伝しないの?」とよく言われます。
もちろん、僕も趣味嗜好や考え方の合う人が住宅を建てたいと考えていたら「ぜひ僕に設計させて下さい。」と言いますよ。
どこよりも丁寧に設計をしている自信がありますし、心地良く住みやすい住宅を設計している自信もあります。
しかし、たまたまこの記事に辿り着いたあなたにとって「僕が良い設計者かどうか」は別問題なのです。
設計事務所の失敗談で良く聞く「デザイン重視で住みづらい」などのネガティブなイメージが何故多いのでしょうか?
失敗しない正しい設計事務所の選び方を解説します。
目次
■設計事務所とは?
■設計事務所の見分け方①
デザイン重視とは?
■設計事務所の見分け方②
現場は楽しい。
■設計事務所は一生のパートナー。
■施工管理ではない工事監理とは?
■設計事務所とは?
設計事務所はデザインをする会社と思われがちですが、建物のデザインだけでなく、建築図・構造図・電気図・設備図など詳細図面を作成し、見積もりを確認し、第三者として工事監理も行います。
ハウスメーカーや工務店は設計、施工を1社でまとめて請け負います。
しかし設計事務所は施工会社と別契約になり、それぞれの仕事を行います。
設計と施工が別会社であることが重要なポイントです。
施工会社とお金の流れが別になるので、第三者としてクライアント目線で工事監理ができます。
これが品質管理の向上につながる最大のメリットです。
こう書くと堅苦しく感じますが、あなたと同じ立場で愛情を持ち、施工の利益を追求せず良い住宅を建てたいと一緒に思ってくれるパートナーが設計事務所です。
■設計事務所の見分け方①
デザイン重視とは?
設計事務所と言っても、その会社の中には様々なスタイルがあります。
デザイン重視で住みづらい住宅を設計する人もいれば、何のこだわりも感じない住宅を設計する人もいます。
デザイン重視で住みづらい住宅は嫌ですよね??
大抵の人は嫌だと思います。
ですが中には設計事務所のデザインに惚れて、デザイン重視で住みづらい住宅でも良いと思う人が一定数います。
そういう人に需要がある設計事務所が有名になります。
何のこだわりも感じない設計事務所、こちらのほうが僕は嫌いです。
こだわりがないとは、要望どおりの部屋をただ並べただけの設計です。
最近のハウスメーカーや工務店でも、そこそこオシャレな住宅の設計をしています。
こだわりのない設計事務所のどこに需要があるのか不明です。
「デザイン性、住みやすさ、クライアントの要望の実現度」このバランスを確認せず、有名だからとか安易な理由で設計事務所に依頼するから「デザイン重視で住みづらい」などのネガティブなイメージが出てくるのだと思います。
設計事務所の見分け方は、実際に設計者に会ってじっくり話さないと分からないことです。
僕は「住みやすさ」と「クライアントの要望」には、柔軟に丁寧に応えようと思っています。
しかし、クライアントとの打ち合わせで「絶対にこっちの方が良いと思います。僕を信じてこっちにしましょう。」という事はたまにあります。
それが「設計事務所のエゴが強すぎて…」と思う人もいるでしょう。
数値では表せない微妙なバランスがあなたに合っている設計事務所なのか、信頼できパートナーになれる設計事務所なのか見極める必要があります。
ちなみに僕が「僕を信じてこっちにしましょう。」と言ったクライアントには完成後、今のところ100%感謝されています。
クライアントの今後の生活を背負っていると思い、様々なパターンを何十回もシミュレーションして確信を持った時にしか言いません。
■設計事務所の見分け方②
現場は楽しい。
設計事務所が流れ作業ではなく、一軒一軒に愛情を持ってくれているかの判断材料として、設計者がどれくらい現場に訪れるのかも一つの指標になります。
自分が想像した空間が徐々に出来上がっていく現場はワクワク、ドキドキでとても楽しいです。
北海道札幌市に住んでいる僕は最低でも札幌市内の現場だと週3日以上、北海道内の遠い現場でも週1日以上は現場にいます。
時間が空けばすぐ現場に行くので現場で時間を持て余し建物の外を掃除して過ごしています。
(建物内は大工さんの邪魔になるので…)
ハウスメーカーや工務店の設計者は全く現場に行かないと聞きますが、設計事務所でも全く現場に行かない設計者はいます。
流れ作業で設計しているのでしょう。
全く愛情を感じません。
そんな設計事務所は選ばないようにしましょう。
■設計事務所は一生涯のパートナー
設計事務所は「お客様(カスタマー)」や「商品」というワードを使わない事が多いです。
僕もこのワードには違和感があります。
「売って買って終わりの関係」ではなく、契約期間はもちろん、引き渡し後も相談できるパートナーとして「設計者とお施主様(クライアント)」という関係を築き、住宅はクライアントと一緒に作り上げる唯一無二の作品であると考えます。
文字にすると堅苦しく感じますが、設計事務所はあなたの住宅に対してあなたと同じ愛情を持ち、あなたと一緒に作り上げ、さらに引き渡し後も相談できる一生涯のパートナーです。
僕は「一緒に作り上げる」という思いで設計していますが、中には「設計者の作品」という思いの設計事務所もあります。
どちらが良いのかではなく、どちらがあなたに合っているのかが大事です。
■施工管理ではない工事監理とは?
「施工管理」とは工事を安全にスムーズに進める仕事です。
施工管理を行う現場監督が工事スケジュールを決め、各専門業者の仕事を調整や監督し、資材や機材などの発注や調整をし、予算の監理をする仕事です。
この仕事をする人は、施工管理技士の資格を保有しています。
一方、「工事監理」とは建築士法第2条第7項で定義される建築士の独占業務です。
設計事務所の建築士が、上記の現場監督が行う施工監理業務を設計図面の内容と適合しているか確認や検査をし、現場監督から提出される品質管理記録の確認を行います。
施工と設計を1社でまとめて行うハウスメーカーや工務店の工事監理は無いと言って良いでしょう。
設計事務所に住宅を依頼した場合、施工管理する会社とは別目線で、設計事務所が工事監理を行う(施工会社の利益に関係なく、設計事務所が現場の確認や検査をする)ため、お金の流れが別になるので第三者としてクライアント目線で工事監理ができます。
先述しましたが、これが設計事務所に住宅を依頼した場合の、品質管理の向上につながる最大のメリットです。
設計事務所とはどんなものなのか、少し分かってきたでしょうか??
北海道札幌市にも、様々な設計事務所があるので、興味を持っていただければ幸いです。
是非あなたに合った一生涯のパートナーになる設計事務所を見つけましょう。
笠井啓介
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